このレビューはネタバレを含みます▼
老舗和菓子メーカー勤務の八戸は､念願のプロジェクトリーダーになり､ヒット作を出すべく新商品を模索中です｡そのパッケージデザインにあたって後輩の角田からフリーのデザイナー松木を紹介されますが､人見知りらしい松木に､けんもほろろに断られてしまい､八戸も売り言葉に買い言葉で席を立ってしまいます｡後になって大人気無かったと反省した八戸は､再び松木を訪ねて新商品の落雁を届けます｡シンプルでやさしい甘さの落雁を食べた松木は仕事を引き受けるのでした｡松木の要望から松木の部屋で打ち合わせをするようになった二人は､だんだん打ち解けてきます｡物語を通して落雁の製法や木型のことを知り､興味深く読みました｡初対面で反発し合った二人が、落雁みたいに甘くやさしくとろけてゆくお話､そこここに立ち上る32歳の八戸の大人の色気も良きでした｡
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