草間作品と商店街の親和性がすごい

以前シーモア島でオススメして頂いたのが草間先生で、以降こちらの作者さんの作品を少しずつ読んでます。ちょうど先日の出版社さん限定のセールで半額だったのでとてもお得に購入できました。
さて本作品は、高校時代の同級生でヒモの神子×探偵の松田のお話です。エピソードが５つ入っていて、それぞれ各１〜３話ずつ程度。加えて描き下ろしで合計265ページ。１エピソードにつき１つの事件を解決するような形で、各エピソードは直接的な繋がりはないものの、時系列的には繋がっています。不幸な子が好きという神子ですが、なんだかもうそれが既にサスペンス映画の始まりみたいな、どういうことだろう？と読み手を引き付ける上手い設定になってるんですよね。私はBL＝キュン命なので、個人的にBLとしてはもう少し甘さが欲しかったですが、BLとサスペンス（ミステリー？）を融合した絶妙なバランスの作品だと思います。ちょっとガサついた線の絵とか、シンプルなコマ割りとか、少しレトロな感じなんですが作風にピッタリだし、商店街との親和性もすごい。思いの外神子の過去の家庭環境がヘビーでしたが、重くなり過ぎないのは松田のキャラのおかげかな。松田は常にギャンギャンうるさくて、そのビジュアルとも相まって少し色気が足らないような気もしましたが、とてもお人好しで人情味のある人でした。というか商店街の会長がほんとにキモくて鳥肌が…！ここまでゾワゾワするキャラが描けるのも才能ですね！