あちらこちらぼくら(の、あれからとこれから)
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あちらこちらぼくら(の、あれからとこれから)

たなと

それぞれ大人になりつつも変わらない二人

ネタバレ
2022年4月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 『あちらこちらぼくら』の待望の続編。前作では高校の卒業式の後、真嶋からの懐かしいBDメッセージを見て涙ぐむ園木、神戸から真嶋にウイイレを送る園木、同封された手紙を読む真嶋の姿が短く重ねられ、最後は数年後、20歳を過ぎた二人が一緒に暮らすところで終わりました。この1巻では、この箇所が丁寧に描かれます。卒業式から3年後、一浪した真嶋のキャンパスライフから始まります。誰と付き合っても長続きせず、事あるごとに園木のことを思い出してしまう真嶋の元に、園木から小包が届き、前作ではわからなかった手紙の内容と園木の心情が語られます。一生懸命に考えながら、自分の正直な気持ちを包み隠さず書き綴る園木の成長が眩しいです。園木もまた、真嶋への想いを引き摺り新たな恋をすることが出来なかったのでした。就職を控えて自分自身のけじめとして真嶋に手紙を送った園木ですが、受け取った真嶋は持ち前の行動力で、3年間のブランクも東京−神戸の距離もブッ飛ばして園木の元に駆けつけるのでした。なんとなく照れ臭くてなんとなく連絡を取らなくなってしまった二人のアオハルが再び一緒に回り始めます。お馴染みの同級生達の少し成長した姿や、立川近辺だけではなく、三宮や六甲もそのまま描かれているのも楽しく読みました。
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