罪の名前
」のレビュー

罪の名前

木原音瀬

性癖(パラフィリア)を深く掘り下げた作品

ネタバレ
2022年5月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ シーモアではレビューされてる方に共感することも多いんですが、今回は数が少なかった為か、他の方のとは少し違った意見になりました。個人的には非常にお勧めの作品です。1話目は匂わせBLですが、そこについては全く気にならないレベルだと思います。ただ性的サディズム障害を患っていると思われる描写が出てきますのでグロ注意。2話目は近親相◯。手紙形式で過去を独白していくことでかなりリアルに感じます。3話目は女性であれば大抵の人が体験したであろう女子特有の世界観の話。運悪く引き当てた友達がこの手のタイプだったらと思うとゾッとしました。4話目でシトフィリア、ソフトカニバリズムです。2話目とラストの話は読む方をかなり厳選するものですが、究極の愛と性癖を垣間見ることができます。個人的には特に4話目がおすすめ。地雷な方も多いかと思いますが、秘密を共有し、宥恕してくれ、執着する様は完璧なエ◯スでした。「何故僕に食べているところを見せるんだろう」と理解に苦しみながらも受け入れていく様には並々ならぬ情を感じます。ソフトSMのような感覚もあり、秀逸なラストでした。四作とも人には理解され難い人間が主人公でしたが、その葛藤や関わり方がリアルで魅力的です。
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