エスケープジャーニー
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エスケープジャーニー

おげれつたなか

苦しいほどの愛を描く天才、おげれつ先生

ネタバレ
2022年5月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者様買い。「ハッピーオブジエンド」からの本作……本作の感想は【とにかくリアルで苦しい一途すぎる愛】です。
◾︎性格正反対の2人。とにかく明るくノリが良く皆を大切にする根っからの良い奴直人と、人見知りで愛する直人だけになっても厭わないのに伝えるのが不器用な太一。2人は、家庭環境から人付き合いまで全く違います。
◾︎過去の過ちの反省を活かしきれず2人はまた復活し、喧嘩ぼっ発。カップルとは思えない男らしい普通の喧嘩が、おげれつたなか先生の作品ぽくて好きです。
◾︎真面目な話の前に。まず双方向フェタイムがあるのが最高です。個人的には太一のキャラクターがイマイチ掴めてないんですが、これはきっとみんなといるときと直人といるときの太一が違うからなんだろうなと感じます。ふたりでイチャイチャ(というかドエロセッ久しかせん)してるときは、2人とも楽しそうに愛しそうに愛であってるのがたまりません。あとエロ描写が最高にエロくて最高です(語彙消失)
◾︎苦しいポイント→家族という形を失敗している太一と、理想に近い家族を持つ直人。太一は一途で重い愛で「2人でいられればいい」と思っていたものの、先を考えると自分と一緒にいることで直人の未来にある幸せを奪ってしまうのでは、という恐怖にかられる。
直人は直人で、好きだから一緒にいるけど、これから先セッ久して同棲してその先に何があるのか、この関係は何なのか、何になれるのか。「ラベル」のつかないマイノリティな関係に不安を抱く。『家族にはなれないのかーー』のところで、私の涙腺崩壊どころか、過呼吸になりかけました。

◾︎すごく、リアルな描写だと思います。
家族の幸せってなんなんでしょう。子供が産まれること?裕福な暮らしができること?愛する人と生涯を添い遂げられること?
色んな形があって、その幸せは本人たちしか分からない(他人が判断するものではない)だと分かっていても、『認めて欲しいと心で思ってる』という太一の気持ちが、グッと喉の奥に刺さりました。
そうだよね、好きな人には特に誰からみても「幸せ」になって欲しいよね。
これから先、絶対同じような壁はあるだろうけど、そんな時代遅れな壁がなくなる世の中になってほしい。BLとNL、なんて呼び方がなくなる世の中になればいいな。

そんなふうに考えさせられた作品です。
おげれつたなか先生、素敵な作品をありがとうございました。
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