このレビューはネタバレを含みます▼
短編わずか45p。その中にギュッと詰め込まれた博実と圭の物語。
愛する人を失うことは半身をもぎ取られるようなもの。
自分だったらわかっていても繰り返す別れを耐えられる気がしない。
でも本当に別れるのはもっと辛い。
圭と博実のどちらも強い。
相手を想う気持ちの強さが彼らをより強くしているのかと。
作中に出てくる梶井基次郎「Kの昇天」。
こちらは語り手自身の「死」への恐怖と相俟って忘れ難い作品ですが、「K」をここに持ってきて更に博実の切実な思いに繋げていく作者様すごいです。
小説も短編が好きですが、bl短編部門も素晴らしい作品が多いですよね。
私の中の短編部門第一位はこの作品かも。