愛の夜明けを待て!【電子限定書き下ろしSSつき】【イラスト入り】
樋口美沙緒/街子マドカ
このレビューはネタバレを含みます▼
愛という概念は戦後、日本に生まれたと聞いた事があります。きっと、久史はそんな感じなのかもしれないって思います。だから、普通に愛を感じている髙也とは感じ方が全然違う。同じ物差しが使えない。拗れて拗れて。やっと本音で話せたいま。髙也は絶望感に溢れるけど。自分の想いを消すことはないって事に気付く事で久史を丸っと受け止める事ができるようになったんだろうなと思いました。久史は普通の愛は交わせないけど、綺麗なもの、髙也のことはそう、受け入れている。それこそが、久史にとっての愛なんですよね。すれ違う思想いの物差しに苦しい思いをして、辛い気持ちを抱えていた髙也は引いて見られるようになった事で、久史を手に入れる事ができたんだと思いました。久史だって、満足そうじゃないですか?ラストのSSで。愛の切なさがひしひしと伝わる樋口先生の作品。涙無しには読めないのです。
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