雪よ林檎の香のごとく
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雪よ林檎の香のごとく

一穂ミチ/竹美家らら

デビュー作品

ネタバレ
2022年5月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 一般小説で直木賞や本屋大賞にノミネートされていま話題の作家さん。08年のBL小説商業デビュー作品で、スピンオフや後日談続編もあってシリーズになってます。読む順は「雪よ林檎〜」→「青」→「赤」→「meet again」(スピンオフ)→「黄」「黄」にスピンオフの登場人物が出てくるのでこの順番が良いかな。「青」は高校在学中のエピソードがメインで、収録されてる同人誌も本編発行後間もなく出されているものが多いので、この作品読んだあとにすぐ読んで補完するのがよいです。(この単行本だけだと物足りないかも)

この作品から竹美家らら先生とタッグを組まれて次々と名作BLが生み出されたんだなーと思うとなんだか感慨深い。
だけど、これはあまりにも今現在の先生が素晴らしい物語を生み出してるから言ってしまうのですが、先生も後書きで仰ってたように、この作品は初めて書かれた初々しさが少し出ているかな〜。冒頭からの先生の泣いてるシーンや先生の持つ過去からの孤独、せっかく良い設定なのに、上手く伝わってこなくてどうして生徒が先生を好きになったのかが、分かりにくかったです。クラッシャーくんの登場で彼の真の心情が出るシーンもそれ程怖くなくて少しいきなり感が否めない。幼なじみの女の子との友情ももっと切なくできる気がする。今同じ設定で先生がもう一度書かれたら、全く違った輝くような素敵描写になってもんのすごく持っていかれる作品になるのは間違いないです。でも、この作品以降に書かれる先生の小説のエッセンスのようなものが出てますよね(男男女の三角関係とか我慢してジリジリする歳の差CPとか)。ファンとしては興味深い。
作者さん初めましての人にはこの作品で作者さんを判断してもらいたくないのでオススメしないかも。作者さんの真髄は、新聞社シリーズとかイエスかノーか のような、経験を積まれて筆が乗ってきて書かれたシリーズがあるのでそちらをまず読むことをオススメします!

あと、もちろん我慢はするんだけど、先生×DKなので、その辺地雷ある方は注意。
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