あの日、世界の真ん中で
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あの日、世界の真ん中で

小鬼36℃

胸の真ん中で脈打つ音

2022年5月10日
閉鎖的な田舎の中で、やりたいことも見つからず悶々と生きている茎太と、陸上選手を目指す幼なじみの茎子の物語。

勉強は単位ギリギリ、タバコを吸って退学寸前、自分のやるべきことが見えず、さまよっている茎太。
幼なじみの茎子は陸上でひたすら目標に向かって努力している優等生。
一見正反対の二人に見えるけど、二人とも不器用で、恥ずかしがりで、自分の思いを上手く相手に伝えられなくて…。

シリアスと笑いのバランスがよく、重くなりすぎず最後まで一気に読ませる。
そして読後感がすごくいいです。胸がぎゅっとなる。

タイトルは作中で出てきた言葉。このシーンがすごく好き。
この作品は何度も読み返すような気がする。老若男女にオススメだけど、文学的な作品が好きな人に特におススメします
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