今日からΩになりました。安里と波多野
」のレビュー

今日からΩになりました。安里と波多野

舞木サチ

ベータ×オメガのマイノリティ問題

ネタバレ
2022年5月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ フワフワとした可愛らしい絵柄でひりつくようなマイノリティ恋愛を描く全3巻完結です。おめでとう! 2巻出てあ、終わったかな? と読み「ああ……」となり単話を追いかけた私も報われました!

遅発性オメガ(第二次性徴以降のベータからのオメガ変転)の独自設定を活かした作品なので、それはもうさまざまな困難がベータどうしであったふたりを襲います。

でもおたがいのことが好きで好きで仕方ない……けど相手の幸福を思うと(健康、生命の危機もありつつ)……でも、と一見もどかしい展開のようですがふたりが意識しあうきっかけが本当に素晴らしく、これは手が離せないのもしょうがないと腹を据えて見守る気持ちになります。透の決意はないた!

周囲に差別的な目線や態度がないことでふたりの変化と感情に物語がフォーカスされていて恋愛ものとして読みやすいのですが、描写しないことで逆にマイノリティのカップルに対する無関心さも感じて絶妙なリアリティがあるなーとも思う。穿ち過ぎかもしれない。

この後の幸福を3倍くらい読みたい、いいカップルでした。
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