咲かない花に水やり
」のレビュー

咲かない花に水やり

yoshi/阿賀直己

尊い

ネタバレ
2022年5月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 発売を今か今かと待っていました。
やっぱり良かったーーー!
高校の同級生だった浅水と櫻庭。
自分の気持ちにまっすぐで差別を嫌い、時に人とぶつかってしまう(好きなものは好き、嫌なことは嫌、がハッキリしている)我が道を行くタイプの浅水。
対して、美しいものが好きなのに親からの価値観の押し付けで「男の子らしくあれ、正しくあれ」と育てられたことや、周りから浮くことを恐れ、本当に好きなことは人に知られないように周りに合わせて自分を騙して生きてきた櫻庭。
BLには「んなことある訳ないだろ!」と思うような突飛な設定や話も多いですが、こちらは実際にこういう人いそう、ありそう、と思えるお話で。
浅水も切ないけど、櫻庭はふつーに可哀想ですよね。
イソップ童話の『酸っぱいぶどうが食べたいキツネ』の話が印象的。
櫻庭は浅水と再会する前は典型的なダメ彼で、プライベートはテキトーになぁなぁに生きてきたのかなぁと。
浅水の元カレの原田もダメ大人だけど悪い人ではなくて。
皆子もいいキャラしてます。顔が浅水に姉弟みたいに似過ぎてるのが気になりますが…わざとでしょうね。
2人の葛藤や悩みや迷いもリアルでとても良かった。
あいかわらず美しい絵と隙のないお話。表紙もとても素敵。花言葉も意味深でよい。
個人的に2巻の表紙のフリージアが好きなので(香りも優しくて素敵!)嬉しかった。
生まれ変わった櫻庭が無自覚に多方面からモテそうで浅水がやきもち焼いて大変そう。
もう少し2人のいちゃいちゃが見たかった気もしますが…そのうち同人誌か何かで出ないかな。期待しています。
このコンビの作品、大好きです。
きっと何度も読み返します。
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