このレビューはネタバレを含みます▼
木原先生の初期の作品を、時代に合わせて新装されたものです。この作品には2つの物語があります。1つは、幼馴染の邦彦と勇の話。もう一つは、勇が結婚し生まれた息子、俊一の話。人間は、おろかしくも残酷で、愛しいものだと先生の作品は、それをストレートに読者にぶつかってくるような感じがします。話の中に、息子俊一がクラスで手酷い虐めにあいます。本当にリアルです。なぜ歯向かわないのか。なぜ、いじめられても一緒にそのメンバーと一緒にいようとするのか。その心理描写がリアル過ぎて怖いです。どちらの話も最初はどうなることやらとハラハラしながら読んでいるのですが、最後は、ほっこりできてよかったです。