このレビューはネタバレを含みます▼
●何の機会に目に留まったのだったか、ずっと気になっていた作品です。ページ数に対して割高なので躊躇していましたがこの度お値引きで購入させていただき、実質は総ページ数以上にしっかり読ませて下さる内容でした。
●「4コマ漫画」というよりは「4拍子の漫画」という感じ(表現難しいんですけど…伝わってほしい…)。ぶつ切りの4コマ漫画が並んでるわけではなく、ひと続きのストーリーを4拍子単位のテンポで綴って下さっていて、時々変拍子が入るような…。あーこれは是非読んで感じていただきたいです!私はこれまで経験したことのない読書体験でした。
●さとるといつき、初対面のときからお互い好感触で惹かれているのに、BLとしては全然進展しません。2巻かけてはっきり恋だと自覚して、それを伝えるところまで。それと、軽く優しいキス。本当に、ゆっくり、ゆっくり。でもこの低スピードがすごくいい…
●非常に叙情的な表現をされる作者さんで、シンプルな絵柄なのに言葉や間の使い方が印象的で、表情豊か。舞台の設定や台詞も素敵です。さとるもいつきも、相手を見つめ、自分を見つめ、言葉を交わして、曖昧な気持ちを形にしていきます。友人や劇団員たちがしっかり関わってるのも良いです。
●日々、君を想って、君と過ごす。一緒に未来へ向かって歩く。あとがきに「不甲斐ない終わり方(=打ち切り)」とありましたが、もう少し先まで、この4拍子で二人を見ていたかった。(本作に不釣り合いな下世話な話ですが、どっちがどっちなんだろう!というのも気になりますし…)胸が温かくなる作品でした。