このレビューはネタバレを含みます▼
フォロー様のレビューで知った本作品。正直、レビューを読まなかったら購入していなかったと思うので、この作品に出逢わせてもらえた事に感謝。
タイトルのティアテラ、最初読んだ時は太陽の光のことだろうかと思いましたが、調べてみたら「遙かなる楽園」「柔らかな光の空」という意味があるそうで、意味を理解してから再度読むと、ゾムが幼い頃の事故で両親を亡くし、そして自分の死も感じたであろうその生死の淵で救助の人達の声を聞きながら見上げた空に感じた「ライアテア」。その後ゾムが13歳の時に訪れた南の島で、偶然出逢った美しきマニ。マニの瞳の中にも同じ「ライアテア」を感じたからこそ、マニに対してここまで心奪われてしまったのだろうなと。
それを感じていた元恋人の別れ際の言葉が辛かった。
この女性は本当にゾムを愛していた、それだけにゾムの瞳の中には自分がいないことを過敏に感じてしまったんだろうなと。
ゾムは片目を失明した事で目に映るものではなく、自分の魂に素直に生きていく。数十年ぶりに逢うマニの容姿が変わっていてもゾムは魂をみているから何も欠けていない、変わっていないと強く言える。なんて格好良いんだろう。ゾムの再生を通してマニも再生していく…。
最後はマニの魂の美しさを私も感じることができて心が震えました。1冊でまとめずにもっとゆっくりと味わいたかったくらい素晴らしい作品。あとがきのラフの絵のストーリーはまた続編で読ませて貰いたい!文句なしに星5