@読み放題 記憶のスケッチ、BLではない





2022年5月28日
※※雑誌「1月と7月」(読み放題アリ)の6号に、単行本の続きがあるのでぜひ!※※
全編鉛筆描き。表題作、同時収録の中篇ともに、あまり作為なく描かれた作品のようで、鉛筆描きの風合いもあり、記憶のスケッチを思わされます。
BLにジャンル分けされてますが、いわゆるBLではありません(特に表題作)。
表題作は、黄緑の髪を持つ保志くんとその友達の三田くんとの、高校生活の断片。明るい先輩とちょっと変わった女子も良い味です。髪と目を黄緑で印刷した画面のインパクトは、黄緑の髪の人が居た場合に私達が実際に受けるインパクトそのものです。目を引かれるし、見るなって方が無理。徐々に近付く二人の距離、周囲からの視線、変な清涼飲料、難病としての仄暗さ、それらが三田くんの記憶として降り積もるような。多くを語らない手探りの友情がすてきです。特に、三田くんが保志くんを追いかけるシーン、保志くんが保志くんとして生まれてきて良かった、そんな気分になる良いシーンでした。
また、この単行本には5話までの収録ですが、雑誌「1月と7月」の6号に6話目が収録されており、1話目と重なる冒頭のお話で、仕組みとしては最終回にふさわしくなってます。
・「菜園モノクローム」いつかどこかの、近代ヨーロッパ風。いつまでこの箱庭での生活が続けられるかはわからないけれど、少年二人の閉じた世界の美しさと残酷さが素晴らしい。いわゆるスミベタではなく、鉛筆画ならではの「塗り込めた黒」が効果的です。
〜〜〜
同作者さんの作品はちょろちょろ目にしてはいたのですが、他作品に比べてこの両作品はカメラ位置が少し引いた場所にあるように感じ、セリフ量も多過ぎず、ダントツに好みの作品でした。別路線が人気出ちゃってるから難しそうですが、こっちの路線をもっと見たい。
全編鉛筆描き。表題作、同時収録の中篇ともに、あまり作為なく描かれた作品のようで、鉛筆描きの風合いもあり、記憶のスケッチを思わされます。
BLにジャンル分けされてますが、いわゆるBLではありません(特に表題作)。
表題作は、黄緑の髪を持つ保志くんとその友達の三田くんとの、高校生活の断片。明るい先輩とちょっと変わった女子も良い味です。髪と目を黄緑で印刷した画面のインパクトは、黄緑の髪の人が居た場合に私達が実際に受けるインパクトそのものです。目を引かれるし、見るなって方が無理。徐々に近付く二人の距離、周囲からの視線、変な清涼飲料、難病としての仄暗さ、それらが三田くんの記憶として降り積もるような。多くを語らない手探りの友情がすてきです。特に、三田くんが保志くんを追いかけるシーン、保志くんが保志くんとして生まれてきて良かった、そんな気分になる良いシーンでした。
また、この単行本には5話までの収録ですが、雑誌「1月と7月」の6号に6話目が収録されており、1話目と重なる冒頭のお話で、仕組みとしては最終回にふさわしくなってます。
・「菜園モノクローム」いつかどこかの、近代ヨーロッパ風。いつまでこの箱庭での生活が続けられるかはわからないけれど、少年二人の閉じた世界の美しさと残酷さが素晴らしい。いわゆるスミベタではなく、鉛筆画ならではの「塗り込めた黒」が効果的です。
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同作者さんの作品はちょろちょろ目にしてはいたのですが、他作品に比べてこの両作品はカメラ位置が少し引いた場所にあるように感じ、セリフ量も多過ぎず、ダントツに好みの作品でした。別路線が人気出ちゃってるから難しそうですが、こっちの路線をもっと見たい。

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