トリガー
」のレビュー

トリガー

イシノアヤ

苦しい..けれどこの作品と出会えてよかった

ネタバレ
2022年5月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ ゲイである事を認めたくないと必死に否定して生きてきた男のお話・・実社会でもそういう人が多いのかも知れないというリアルさも感じ衝撃を受けました。

実ははじめDV描写にそこまでしてしまうかぁと思ったんです。でも読むうちに、自分を否定し、違うと言い聞かせ長い間必死に生きてきたんであろう三井、その胸の内は、わたしがどんなに想像しようとしても想像しきれない、ものすごいものなんだろうと思いました。そんな三井を受け入れられたのは、曽根もまた苦しんで辛い経験をいっぱいしてきたからなんだと思います。ただ、自分を偽らずに生きてきた曽根は、三井より少し強かった。
「奇遇だね、ぼくもさ」に涙があふれます。

今後消えない腕の跡を見て、してしまった事を思いだすんだろうな。忘れてはいけないとも思う。でも同時に隣に曽根がいる、一緒に過ごしている幸せも感じてほしいな。
嬉しさや照れを隠した「いかれてる」に本来の三井にやっと会えた気がしました。

ずっと胸が押しつぶされそうでしたが、読めてよかった。今後忘れられない作品になると思います。
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