ボスと野獣
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ボスと野獣

さちも

空っぽが埋まった

ネタバレ
2022年6月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 冒頭のレオの「俺の人生は割と幸せなんだと思う」が衝撃的。親に売られ性奴隷となり、それが居場所と思い込み思考を停止したレオ。暗殺スキルが高くなりすぎて親に疎まれ売られたアーサー(ボス)。身体の傷も心の傷も同じものを抱えた2人。それぞれの人生は壮絶すぎるのに、心を守るために内側では閉ざしたままのボスとレオ。「必要とされたい」思いは、役割ではなく個であった。「名前を呼んで」2人が求めたアイデンティティは、2人が出会えて確立していったように感じる。出会いが抑圧していた本心を呼び起こし救われたのかな。リバ表現あり。読み終わって少し辛く、少し救われる。
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