幸福の値段
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幸福の値段

小指

札束で、愛も幸福も買えたのかも

ネタバレ
2022年6月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ ●「ヒモ特集」のキャンペーンで出会いました。札束で愛は買えるのか…一崇はもしかしたら買えたのかもしれないな、なんて思いました。気持ちを抑えて徹底的にお金の関係でいようとしたことが、逆にハナの感情を動かしたのかも。
●一崇は、初対面のハナがくれた言葉に撃ち抜かれたのでしょう。多分一目惚れ。ヒモのくせに優しいハナにどんどん惹かれてしまう。だけど、気持ちを伝えたらハナは去ってしまいそう…ということを察していて、お金の関係に徹しようとする。…漏れ出てるんですけどね。
●感情が読みにくいのはハナ。ヒモとして優秀(?)なので、最初から優しくて甘い。これまでの相手にもおそらくそうだっただろうに、相手が本気になると冷めてしまう。「自分は愛されるような人間じゃない」と思ってるんだろうか。「人を好きになるのに抵抗がある」みたいな記述もある。“あんな父親”の血を引いているから?
●じゃあ一崇が特別になったのはなんでだろう。必死で気持ちを隠そうとしてるところ?健気すぎるから?一崇は、ハナに気持ちを告げる代わりにお金を渡す。元家主(?)に「花さんを許して」って全財産を投げ打つ。そんな人に、ハナは出会ったことがなかったのかな。
●最後はハナもちゃんと仕事に就いて、一崇への「好き」の気持ちも自分で認めてあげて、一崇のところへ戻ってきます。あらすじの「札束で愛は変えるのか」という誤字が残念…。淡々と進むけど、ふとしたシーンに胸がきゅうっとなるようなお話でした。
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