躾けてとかして暴いて愛でて【単行本版】【特典付き】
桐式トキコ
Dom /Sub作品の中でも、神的に最高です。
ネタバレ
このレビューはネタバレを含みます▼
いわゆる、命令するだけの強い立場のDom有りきな作品ではありません。
主人公は、環境下幼い頃から我慢を強いられ、甘える事をタブーだと思い込み、本来の自分の欲求に蓋をしてしまい、Sub性を拗らせてしまっていました。
愛は、先輩を学生の頃から慕い懐いていたにも関わらず、一致しないかと思われたDom/Sub性の指向のために、先輩を思い、一度は身を引きます。
が、10年後の再会により、互いに拗らせた関係を解きほぐしていくうちに、本当のパートナーとしての信頼関係が築き上げられていく過程が描かれていました。
本来、愛は、パートナーを重たいくらいに深く愛して甘やかしたいDom性で、そして、その対象は10年前から先輩のみ。重いと言えば重いし、再会出来ていなければ本当に不毛な思いで終わるところでしたね。
そして再会しても、先輩の事だけを考えて、自分の欲求を放棄してでも、距離や許容範囲を一気一憂で測りながら先輩を思いやる、愛の健気さに感動してしまいました。
二人は、周りの方々にも温かく厳しく見守られて、
先輩も、自分の感情論ばかりでなく、やっと、愛の指向や大きな思いも、考慮する事が出来る様になり、どんなに自分が大切にされているのかを実感し、不器用ながらも、本来の自分を解放していきました。
周りから見たらもどかしい二人だったでしょね。
全ての描かれ方が、素晴らしいですね。
先生の繊細な絵柄も好き過ぎて読んでいて幸せになりました。
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