藍より甘く
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藍より甘く

一穂ミチ/雪広うたこ

番外編とおまけSSが糖度高め

ネタバレ
2022年6月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 一穂先生の心理描写が大好きです。
BL作品におけるストレートの攻めは無理があるだろうと思ってしまって、入り込めないことがほとんどなんですが、小説だとキャラクターの心情がこれでもかというほど丁寧に描かれるのでマンガに比べて受け入れやすい気がします。
本作品もストレートの入江とゲイの遥のお話。遥が入江に告白したことから物語が展開していくのですが、ストレートの入江の心の中が手に取るように分かる心理描写。一方の遥も、自分は人と違うことを昔から認識していて、色んなことに最初から諦め癖がついているタイプなんですが、これまた人物像がよく伝わってくるんですよね。二人ともマンガだったら好きなタイプのキャラじゃないですが(笑)、一穂先生の手腕にかかると愛すべきキャラクターに感じてしまうんですよね。
個人的に小説だからこそ楽しめる系のお話。
同時収録の番外編というか続編?とおまけのSSが甘々で良かったです。
遥の家業が藍作りをしている設定なのですが、相変わらずお仕事描写が丁寧で勉強になります。見たことないはずの景色が見えてきそう。

入江がストレート設定なのもあって、遥を本当に、心から、恋愛として好きになったのか若干疑わしく思ってしまうのですが、BLはファンタジー(笑)なので幸せでいてくれると信じます。

ストレート攻めなのと個人的な萌えはあまりないカップルなのでお話は☆3.8くらいですが、一穂先生の文章や表現がとても好きなので文体への加点で☆4です。
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