私の座裏屋蘭丸先生作品のデビュー作





2022年6月8日
1巻完結でこんなにうまく構成されて読み応えのある漫画が他にあるでしょうか。漫画を読むようになって二年弱、BLを読み始めて一年半、漫画・BL読者としてはまだまだピヨピヨの私ですが、一年半前の段階で座裏屋蘭丸先生の存在には既に気づいていました。表紙から感じられる圧や、読者の皆さんのレビューからどうやら凄い作家さんだと確信させるオーラが滲み出ていたので、『コヨーテ』の試し読みを開いてみたけれども、あまりの絵の迫力に怖気づき、当時は全く読み進められなかった。固定観念の「漫画」の域を超えた画力に対する耐性が全くなかったのです。それでもいつかは読む、絶対に読むと誓い、その間様々なBL作品を読み漁りもう大丈夫だろうと確信した今年四月、まずは一巻完結の『VOID』に着手。1ページ目から他の漫画とは一線を画す画風、空気感にまた食われそうになりながらも、読了後「やっぱり、さすがだ…」と感嘆&茫然。ファンタジー要素があるにも関わらずそれを感じさせない説得力のあるストーリー展開、刷り込み解除のシーンでの「VOID」とマキが唱えるコマ、そのコマまでの流れも含めて映画のカットのごとく破壊的に印象的な演出。絵がお上手というやすっぽい言葉で称賛したくないのですが、いや、もう絵が…絵が…もう漫画本のレベルじゃないと思うんです、それにスバ抜けた絵の見せ方というか表現力に陥落させられました。この後、雪崩に巻き込まれるように座裏屋蘭丸先生の作品に傾倒することになったのです。

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