百鬼夜行抄
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百鬼夜行抄

今市子

お盆休みは

2011年8月6日
これできまりです。怖さ二倍増し!!とても長いので、購入には勇気がいるかもしれませんが、立ち読みして『これいいかも』と思われたら、パック買いでぜひどうぞ。
こんなすごい作品、今まで全然知りませんでした!!こういう作品にであうと、漫画ってすごいなぁ、とあらためて思ってしまいます。
主人公の律君は、見えないものが見えてしまう、祖父譲りの霊感の持ち主。その力ゆえ、人外のものに命をねらわれます。亡くなった小説家の祖父は、律を守るために式神を残しますが…幽霊や妖怪といわれるものと、人間の戦いとも違う、日本昔話的な、不思議で美しく怖いお話です。怖いといっても、昨今ありがちな残虐な絵ではなく、本当にいるような、気配を感じさせるものです。寧ろ、もののけたちはかわいく描かれてるのに、正直私は夜トイレにいけなくなるほど、心理的にドキドキさせられました。でも笑ってしまうシーンも沢山あって、主人公が人間くさかったり、式神が楽しくて、なにより、主人公を取り巻く女性たちが元気でかわいいのがいいですね!
短編ばかりで構成されてますが、時系列はばらばらで、主人公や家族の過去、現在、未来についてを妖怪との関わりと共に描いています。こんなにながいのに、似たようなお話がありません。日本人の深層心理をつく★5つ以上つけられたらつけたい作品です。
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