あいとまこと
」のレビュー

あいとまこと

森世

孤独な三人のお話

ネタバレ
2022年6月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 近親、オメガバース、3人、ペット契約...。
盛りだくさんでどうなっちゃうのかと思いながらページを開きました。

非常に丁寧に三人の心情や背景を描いている作品でした。
顔のそっくりな双子ですが人物像が読み手にはっきりと伝わってきます。
背景の葛藤や苦しみ後悔が抗えなかった性の拘束力と一緒に語られていきます。

幼かった双子に向けられた大人の暴力的な言葉や判断が守るべき二人を傷つけてしまうこと。
天涯孤独になった幼いトワを守る大人は一人もいなかったこと。
孤独は、周りに人がいるのに理解されないこと。
そんな三人が少しずつ触れ合いながら心を通わせていき、お互いを大切に自分を大切に出来るようになるお話でとても素敵なお話でした。

そして、ひとつ疑問がありました。
番のΩは番以外とは繋がれないはず...。
後半の悲しみの暴力で出てきた数々の道具が、あれはあんな暴力に使いたかった訳では無くて、愛司がトワを愛したかった想いなんじゃないかと。
そう解釈すると尚更せつなくなってきます。

ホントに切なくて苦しくて純粋な三人の幸せを願わずにはいられません。

多分、色々な地雷が組み込まれている作品ですが、ストーリーが大変しっかりとしていると思うので苦手意識のある方でも読めるのではないかな~と思います。

クーポンで購入しました。
出会えてよかった作品です。
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