ヘブンリーホームシック
」のレビュー

ヘブンリーホームシック

京山あつき

故郷に帰っても解けない異国の魔法

ネタバレ
2022年6月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ ロンドン勤務1ヶ月でホームシックの太田は、タワーブリッジの見える観光スポットで高校の同級生の行貞と6年ぶりに偶然の再会をします。1年前からいるという行貞は太田より酷いホームシックで、再会した夜いきなり太田のベッドに入ってきます。驚いたものの異国での心細さを共感できる太田は添い寝を受け入れ、それから行貞は頻繁に太田の部屋を訪れるようになります。やがて太田は行貞にキス+αしてしまい、行貞はパタリと来なくなってしまうのでした。そこからは、2人のLINEのやりとりと、それぞれが心身共に受ける文化の違いなどで淡々と進行してゆきます。太田は自分が行貞を好きで行為に及んだのか、寂しさから縋りつきたかっただけなのか、わからなくなってしまうのでした。日本にいれば恋人どころか再会することもなかっただろうノンケの二人がロンドンの曇り空の下、自然に肩を寄せ合って、天国みたいに幸せなひと時を手に入れます。ロンドンの様々な日常が丁寧に描かれていて、そちらも充分に楽しめました。
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