真綿の檻【マイクロ】
」のレビュー

真綿の檻【マイクロ】

尾崎衣良

クーポンなしでポンポン購入した。後悔なし

ネタバレ
2022年6月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ 単話1巻が期間限定無料になったのでお気に入りに入れていた作品だったので1巻を読み始めた...
読了後即座に2巻購入。そして3巻までクーポンなしで購入した。

ストーリーはもしかしたら日本のどこかに存在しうる家族ではと思わせるストーリー。
実際、レビューに自分や家族とリンクさせている方々が多かった。

私の母親も理想的な母親像ではない。今でいう『毒親』に近いと思う。
自分の希望を押しつけて、自分の敷いたレールを歩かせた。
抵抗しなかった私が悪い。親元から飛び出さなかった私が悪い。
榛花の長い長い地道な計画は私が出来なかったことだ。
親への愚痴は飲み込み【真綿の檻】から脱出するための足がかりを榛花は作った。
そして榛花は自分の城を勝ち得たのだ。

各登場人物側から見た【榛花像】が描かれている。
口下手な榛花、不器用な榛花、旦那の尻に敷かれ抵抗しない榛花...
色んな榛花像が見えた。
決して家族の前では人格を変えていたわけではない。
皆【自分のいいように】榛花を見ていた。
榛花が一番素直に100%信頼仕切って甘えられるのは、夫だけだが1巻では嫁いだ先でも【真綿の檻】に捕らえられた榛花に写しだされている。
尾崎先生の作品は初めて読んだがグイグイ読ませるものがありクーポン使って明日買おうなんて余裕はなかった。
3巻までいっきに読んで〆も理想的なシメで、『こんなことを言い合える家族っていいな』と思わせる。
ラストまで語られなかった父親側から見た榛花像。仕事を言い訳に家庭をかえりみなく、そのクセ何かの時は口を出す父親には榛花はどう写っていたのか知りたかった。

母の敷いたレールを今も歩いているが、おかげで主人と出会えたのでその点は感謝しています。
いいねしたユーザ25人
レビューをシェアしよう!