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つゆきゆるこ

テーマの振り幅がすごい!

ネタバレ
2022年6月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ ●好きな作者さん。本作は、表題作3話+描き下ろしと、短編が2本。この短編のテーマがそれぞれ下衆/屑だったとのことで、表題作の雰囲気とは対極にあります。そのため低評価になっているレビューが少なくないですが、私は作者さんの幅広さが感じられて良かったと思いました!かーなーり歪んでますけどね…でも各作品が纏う空気はやっぱり“作者さんらしい”と思うのでした。
●表題作。家族愛のような感情の中に恋心や劣情が生まれる。離れていた期間も連絡は取っていたようだから、会えないのが余計に拍車をかけたのかも。大人ぶりたい辰巳と早く大人になりたい澄晴。
●小さい頃からわんこな澄晴がホントかわいい!素直になれない辰巳も。10年振りに再会した二人が“今”のお互いを探りながら、少しずつ感情を交差させていく様子が愛おしいです。この家が二人の大切な場所。
●『せまいせかいに』病んでる…!好き勝手のくせに独占欲丸出しで泣きじゃくる夏路よりも、そんな夏路を見て恍惚の笑顔を浮かべる澄滋にゾクッとする。それは幼い頃から…?タイトルのとおり、二人きりで閉じてしまいそうな関係性。
●『ENDLESS〜』いやークズですね。でも、許してしまうんですね…。何をしてても嘘だけは言わなかった優心が隠し事をしたときの深層の気持ちは…?と考えてしまいます。泰影の元に戻ってきた優心に、これから少しは変わるかも…という一縷の望みを。
●作者さんの作品は、どれも噛み締めるほど味わいが出てくるところが好きです。下衆と屑が許せそうなら読んでみて下さい!
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