茜新地花屋散華
」のレビュー

茜新地花屋散華

ルネッサンス吉田

禁忌と相対概念の坩堝とにかく凄まじい!!

ネタバレ
2022年6月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ この、アングラ臭!
この、規格はずれ感!
商用に頓着しない破れかぶれなエゴイズム!
大大大っっっ好物です!!!
なる程、ガロ系ですか。私は第2期が好きです。(リアタイ読者です)
………
3人の男子高校生が自我実現のために懊悩し煩悶するさまが、とんでもない手法で描かれています。
バックボーンがエロの常軌を逸しているので、それはもう凄まじいです。
ペドフィリア、カンダウリズム、インセスト、そして壮絶なモブレと盛りだくさんで、メチャクチャ性 癖に刺さりまくりで、私がとんでも無くなってしまいましたyo。
冒頭からレビトラ20mgが描き込まれてて、何故それが必要だったかを知った時はひょえぇぇ〜!ってなってしまいました。これは優しさだったのか渇望だったのか?それだけを拾っても深く刺さる事柄です。
こういうのがソコここでメッチャ展開されています。
だいたいが相対概念で表され、入れ子のような思考回路で渦巻く濁流に翻弄され続けました。
何が幸せで何がエゴで、恋はダメで愛は見つかったのか?
男女の絡みと男男の絡みをエッロエロで描きながら、漱石をも語ってしまうケムの巻き方に、底知れない怖さを感じてしまいます。
………
異常なまでに描き込まれた線の乱舞と呆気ない空白。
その絵をも塗り潰す勢いで載せられたテキストの多さ細かさ。
何もかもが、この作家様の作家たるを犯さざる位置に止め置く巨大な錨に感じました。
………
今作はBLとして読んでは理解は難しいかも知れません。
人が安定した自我を獲得するまでのパラダイムシフトを傍観して手も足も出せない苦しさを味わう愉しみだと思います。

初読み作家様ですので、今後既刊作品を読める嬉しさでワクワクしています。
あぁ、有り難い。。。。。
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