このレビューはネタバレを含みます▼
初読み作家さんなんですが、フォロー様方が高レビューを上げられていたので試しに購入しました。かなり期待して読んだんですが、残念ながらあまり私には刺さらずでした。
本作品は、バイク便ドライバーの北條×ちょっと変わった小説家・荒波さんのお話で、表題作のみ全5話+描き下ろしで合計204ページ。荒波さんの家に偶然集荷に来た北條は、荒波さんがゲイであることを知ってしまい…。多分個人的にあんまり荒波さんみたいな理屈っぽいキャラが好きじゃないんだと思います。ギャップが可愛いと思うよりも、面倒くさいやつだなぁという印象が上回ってしまうのかな。荒波さんは冷徹というより、非科学的なことは一切信じない合理的な人間。合理的なのは良いんですが、うんちくばかりでちょっと面倒くさい。作家なのでわざとそういう口調にしているんでしょうが、言い回しが硬くて不自然というか、理屈っぽくてセリフが多いのでスマホだとちょっと読むのが大変でした。裏表がないのは好感が持てるんですが、これも空気が読めないのと髪一重で、あまり可愛いと思えないまま魅力を理解する前に終わってしまっていました。高圧的な口調もどうも好きになれず、主従関係のあるファンタジーものならまだしも、普通のお話で他人を呼ぶのに「貴様」ってどうなんでしょう。北條がバイク便を辞めた理由もちょっと分かりにくく、ディレクターの岩田さんの登場もかなり唐突だった気が。絵は綺麗で丁寧ですが、北條の白抜きの目がチカチカして見にくいのと、31歳設定にしては荒波さんの目元が老け込んでいるのも気になってしまいました。