このレビューはネタバレを含みます▼
喫茶ミチクサの店長•絋記は、別れた元彼の丈が来店したことで取り乱して火傷してしまいます。偶々居合わせたお客の園田が気付いて大事には至りませんでしたが、それをきっかけに園田はちょくちょく店に顔を出すようになります。丈もまた絋記の前に現れるようになります。生活に自分ルールを持ち込み、そのルーティンで安心できるタイプの絋記は、初めて好きになり初めて付き合った丈との別れが1年半経っても受け入れることができずにいました。別れてからも丈を傷つけることを恐れる絋記の頑なさ、不器用さには誰よりも本人がもどかしく苦しんでいます。そんな絋記に関わってくる園田は、自分が男を好きなのではないかという違和感に苛まれています。丈もまた、1年半前には言えなかった不安を絋記に明かし、やり直したいと一生懸命なのでした。不安が不安を生み出す絋記の拗らせ方は、恐らく発達障害ではないかと思われますが、それも絋記の個性として淡々と描かれます。1組のCPが、もう一人を巻き込んで不思議な化学反応を起こし「おかえりなさい」となるお話です。園田さんにも良い出逢いがありますように。