スモークブルーの雨のち晴れ
」のレビュー

スモークブルーの雨のち晴れ

波真田かもめ

2人の柔らかい熱を感じて心地良い。

ネタバレ
2022年7月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作品同様、長々と深く語るのは野暮かもしれない。でも語りたくなる素敵な作品。

元エリートMRとしてNo.1ライバルを争っていた2人の再開ラブです。

先生のお言葉にも有りますが性愛だけじゃないL OVEもL IKEもL IFEも含めた。
プランBのL 。
のBL。

黒髪上品クールで気だるげな久慈(攻)×明るく人懐っこい地頭良しの吾妻(受)

38歳の2人の掛け合いがとても心地良い。
深く踏み込まず時折嫌味を交えつつも、お互い尊重しているのが分かる。

幼い頃の父親の存在は絶対的な尊厳を持ち、憧れや畏怖様々だろう。
やはり唯一無二の存在だと思う。
しかし、どのような人間にも完璧など無いことを知る。
目の前で痴呆を煩い老いていくのは、こちらもやるせなくなる。
ポツリと「もう居場所は無いんだな」

過去とリンクするかのように少しずつ居場所に侵入する吾妻。先生上手いなぁとタメ息が出た。

人生は晴れの日ばかり続かない
ずっと全力で走れない
38歳の2人だからこそ感じること。

透き通る様な晴天を見上げて、この空も良いけど
タバコの紫煙が掛かったような少し曇った空も良いよ。
ずっと晴ればかりじゃ気付け無い。
曇りや雨で気付く事も有る。それも楽しい。

オセッセも大人の風格を感じる、じっくりゆっくりなオセッセで日本家屋とマッチしてとても良かった(照)
最後の描き下ろしの駆引きなに?これでまだ恋人じゃないんよ…尊い、とうといよぉ。嬉涙

言葉少なめにも関わらず2人の熱さをしっかり感じられる先生の才能が素ン晴らしい。

翻訳って奥が深いです。春のうた、雪解けのうた…素敵だわ。

おはよう~シリーズ全て読みましたが、君たちずっーーとイチャイチャしてるなぁ、裏山けしからん。
で、すぅっと流れる様に読んでいたので、コチラとのあまりの違いに驚愕です。
パッと派手な打ち上げ花火みたいなアオハルの恋も良いけれど、じっくり熱が伝わるアダルトな線香花火みたいな恋も良い。
私は断然此方の作品の方が好き!

素ン晴らしい作品だ、続きを焼き土下座待機。
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