このレビューはネタバレを含みます▼
気さくな常連客・尚人×バー店長の響+響の恋人でオーナーの征司。コロナの流行により世界が変わり始めた頃、客足が減少する店にやってくる尚人と話をするようになった響。時々しか会えないけれど優しい恋人・征司と、心細い日々を共に過ごす尚人、変わりゆく世界と二人の間で揺れるパンデミック下のひそやかな三角関係。作中はっきり名前は出ないけど、コロナに真っ向から向き合った作品は初めて読みました。あの頃の、この先どうなるか分からない不安はみんな共感できると思う。イレギュラーな時こそその人の本質が見えたり、曖昧だったことがはっきりしたりする。響も尚人も、もちろん征司も誰も悪くないからこそ少し寂しくて切なかった。まだまだ元通りとはいかないけど、あの頃より大分ましになった世の中で、それぞれどう過ごしているのかな。Hは征司×響のみ。征司はこれからも飄々と生きていくだろうけど、いつか誰かと幸せになって欲しい。