鳴けない小鳥と贖いの王
」のレビュー

鳴けない小鳥と贖いの王

六青みつみ/稲荷家房之介

複雑な「愛」をテーマにした素晴らしい作品

ネタバレ
2022年7月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ 1巻のラストで「えー!?ココで!?」と、ビックリするような場面で次巻に…となりましたが、既に2巻まで購入していたので「まぁまぁまぁ」と己を律する事ができました。でも2巻のラストで繰り返されるとは…叫びたくもなるわって感じです。1巻のあとがきで「2巻完結」と仰っていたので、そのつもりで読んでいましたが、もうね…確かにね…2巻の半分を過ぎた辺りから「これは、終わらないんじゃ?」みたいな予感はありました。ありましたし、今回初めての作家さんで(最近は明るい内容ばかり読んでいたのもありますが)こんなに感動して涙したのは久しぶりでしたので、これ程までに肉厚な内容ならば当然かなと思えます。「愛」をテーマにした作品は星の数ほどありますが、切り込む角度が素晴らしいと思いました。「許したいけど許せないのか。許せないけど許したいのか。」こういう絶妙な言い回しや、矛盾・相反する心理などがそこここに散りばめられていて、深く考えさせられ、心動かされる場面が多くて読み応えがありました。切ないけど希望の光は絶えず見えています…しっとり涙したい方にオススメです。こちら1巻が2021.4.1発行で2巻が2022,4.1発行です。先生は「1ー2巻程はお待たせしません。3巻完結」と仰っているので、待てる方はもう少し待って(おそらく1年以内)3巻まで一気に読む方が精神衛生上いいかもしれません。
いいねしたユーザ5人
レビューをシェアしよう!