女生徒
」のレビュー

女生徒

太宰治

こんな文章が書けたなら

2022年7月11日
多感な時期に出会って、繰り返し何度も何度も読んだ好きな作品のひとつ。
ロココ料理のくだり、百合の花を取ってくれた坑夫のくだり、山形、犬のカアのこと、「わるいのは、あなただ。」…悲しくもないのに自然と涙が出てくるのは、なぜなのか。揺さぶられてモヤモヤするのではなく、こんなにもスッキリとした心地になるのはなぜなのか。
当時、文学ってここまで自由で素直なものでいいんだと衝撃を受け、なんで中年のおじさんが年頃の女の子のことをこんなにも瑞々しく書けるのかと更に驚いた。今でも訳が分からない。

文庫本で持っているけれど、折に触れ読み返したく、この度購入、0pt.。シーモアでの青空文庫の存在を教えてくださった島の先輩に感謝。
文字は紙の本よりも小さい。ただ1ページ中の文字数が少ないため思ったよりも読みやすい。
いいねしたユーザ4人
レビューをシェアしよう!