CANIS-Dear Hatter-
」のレビュー

CANIS-Dear Hatter-

ZAKK

心地良い空気感の帽子店がたまらなく好き

ネタバレ
2022年7月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ まぁとにかく、最初から最後までお洒落で雰囲気のある作品です。
絵柄のカッコよさとかね、センス溢れる感じとか外国の香りとか、自分の中に全くないものなので、魅せられるしときめくし、心惹かれます。
サトルさんの帽子店がもうとにかく素敵な場所なのですよ。
従業員たちも並んだ帽子や木型も工房の雰囲気も何もかも全て良くて大好き。
彼らの楽しい掛け合いや、帽子への愛や情熱を感じる仕事風景、相手を気遣う一言一言など、帽子店「DANTE」の日常をいつまでも眺めていたくなります。
2巻の終わりには、ああまだこの空気を感じていたい、終わらないで〜って切実に思いました。何とも後引く漫画です。

サトルさんの帽子づくりへの思いとか、リョウの過去に対する懸念とか、苦しかったり切なかったりするところもあるんだけど、それを大仰な表現や過剰な演出をしないでさらりと、しかしとても印象的に見せる。そこがすごく上手いなぁと思います。見せ過ぎない語り過ぎないからこそ余計に引き込まれるし余韻が残る。
サトルさんが、本当にごく普通の人なんですよね。帽子を作る才能はあるけど、感覚はまさに一般人で。なんかそこがすごくホッとします。
リョウの背景やきな臭さを感じてはいるけれど、必要以上には踏み込まない。それでも二人の関係はちゃんと成り立っていて、心の芯の部分で通じ合っている。
リョウはサトルさんといる時は年相応で、楽に息ができている気がします。サトルさんの隣が一番居心地いいっていうのが伝わってくるから、二人を見ているこちらも癒されました。
続くシリーズで、何が明かされるのかドキドキです。
レビューではさらに物語が深まり目が離せないようなので期待しかありません。このまま追いかけていきます。
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