このレビューはネタバレを含みます▼
ジャンルを超えたとても深い様々な愛の物語のようでした。
主従や師弟、家族愛など静かに厳かに過去と現在を交差しながら紐解かれていきます。
何でBLに括られるのか不思議なくらいです。
魔法使いリーの仄くらい世界に弟子のラベルの存在が温かく灯る小さな光のようです。
リーとその使役リリド。前王のカヌロスとその妻ゾラ、息子のラベル。
王とリーの秘めた叶わぬ想いから、どんなに焦がれても手に入れる事ができない命を賭してのそれぞれの想いが切ないです。
それでもラストのラベルのその後を見る事で、皆の想いがが報われるような気持ちになります。
サブタイトルに無二の王と黄金の川岸とつけられているのも壮大で素敵です。
愛しき者への深い想いが、恋愛だけに括られないとても尊いものでした。
穏やかな大人の絵本のような御本にとても満たされました。