オメガアレルギー
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オメガアレルギー

イズミハルカ

αの苦悩をΩが救済する

ネタバレ
2022年7月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 以前、先生の『人魚の恋に触れたなら』を拝読しましたが、こちらも大変ドラマチックな仕上がりで良きでした。
オメガバースでドラマチックといえば運命の番だけど、本作はそうじゃなくオリジナル設定の「フェロモンアレルギー」なるものを通して主人公2人が魅力的です。

バース平等の世界線で、Ωのフェロモンに過剰反応し望まないラットを引き起こしてしまうαの御堂と、α嫌い(というよりΩな自分が嫌い)なΩの緋山が取引で番になるところから始まります。
2人とも人を傷つけてしまう自分のバースを許せなくて苦しむところ、切なかったです。
緋山の「Ωの首輪がマナーならαは口輪でも着けてろ」はズシンときました。
それに対して「本当にそうだな、ごめん」と返す御堂にも。

取引の番から始まった2人ですが、なんだか素直じゃないようで素直な緋山を、ずっと素直な御堂が大事にしているのが素敵でした。
そして、義兄と叔母も実はなんだかんだ緋山を大事にしててよかったー!
(2021年9月/206p)
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