苦いのテーマ
」のレビュー

苦いのテーマ

阿部あかね

苦いし、痛いし、ツラい…!でも皆いい奴

ネタバレ
2022年7月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ 阿部あかねさん、codeGが個人的に性癖ど真ん中の三角関係で大好きなんですけど、こちらよりは明るい感じですかね。
本作はガッツリ《浮気》もの。
心臓がぎゅう、胸がギューと少しばかり痛む内容ですが、やはり折に触れ、繰り返し読む作品です。

何でも来い!タイプは無問題ですが、
色んな地雷がありますので、注意は必要かなと思います。
まず、長年カップルの新と夏樹はリバップルです。
ラブラブで同棲を始めたところですが、夏樹が大学で入ったアウトドアサークルのリーダー涼馬と近しくなり身体の関係を幾度となく持ってしまいます。
それが夏樹にバレてしまい、なかなかに痛い結果に。
(暴力的な)
これだけ読んで、あ〜無理!ってならない人は
是非、読んでほしいです。
新と夏樹は少し距離を置くものの、最終的にはお互いの愛情を確かめてパッピーエンドなので、その点はご安心を♡

この作家さん、三角関係を描かせたらマジ上手い!と勝手に思ってます。それぐらい、キャラクターの心理描写が自然…リアル!
夏樹が、なぜ涼馬に浮ついた気持ちを抱いたのか……
新との安定した関係ありきで、何となく流れてしまった…心理が淡々と描かれていて、ぁぁぁ…はぁぁ…と。
徐々に罪悪感や新との関係が終わってしまうのではと恐さを抱く夏樹が苦い。
夏樹と涼馬の関係をまざまざと見せられた新に感情移入してしまうも、そこまで?!うっっわ!無し!無し無し!となると同時にやっぱり少し同情してしまったり……色んな意味で痛い。
新と夏樹のラブラブぶりは甘く見ていて非常にしあわせそう。
と同時に、涼馬と夏樹のやり取りもなかなかに相性がよく甘い。ああ…!な、なんで…と。
この苦くて痛い3人の舞台ともなる近所の銭湯、そこでのジジ様たちとの触れ合いは一種癒しです。

この涼馬がヤな奴じゃないから、浮気がテーマだけど嫌悪感なく見れた感はある。(元々浮気もの大丈夫なタチではあるがw)
見た目も人柄もいいキャラで、好きです!
んん…どこを切り取っても魅力的。夏樹には刺激的に映るなぁ。
彼にも想い人がいて、できたら本命と幸せになってる姿をスピンで見たいよ…マジで。

三者三様の想いがあり、誰に感情移入するかによって持つ印象が変わる作品なのかもしれません。
ですけど、間違いなく良作です!一読の価値はあると思います。
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