【おまけ付き】隣の席の神崎くんとセックスしてしまった
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【おまけ付き】隣の席の神崎くんとセックスしてしまった

花宮初

3巻まで読了

ネタバレ
2022年7月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 神崎君って高校生だったよね?と確認したくなるくらい、小学生のようにピュアで真っ直ぐ主人公のほのかにぶつかってくる。もう愛おしくてたまらないキャラですね。ガチガチの防御壁で心をガードしていたほのかが絆されるのも納得です。
ほのかのモノローグを読んでいると、私でもそう思うだろうなと共感することが多々ありましたが、それは私が今40代だからであって、高校生の時だったら共感はできなかっただろうなと思いました。ほのかは小さい頃から人に期待すれば傷つくことになると学び、傷つくのに疲れて、人に期待しないように自分を抑えているうちに、それがスタンダードになってしまった感じがします。切ないですね。自己説得して生きている人は、何かあるとブレやすいですが、ほのかもまさにそれで、神崎君の捨て身の体当たりに最初っからブレブレでした。実は心底欲しいものだったりするけれど、それに手を伸ばしたら今度こそ致命傷を負うかもしれない。ほのかにとって神崎君は防御壁を壊しにかかる恐ろしい存在だったと思いますが、ほのかに一歩踏み出す勇気をくれたのも神崎君ですよね。粘り倒した神崎君に拍手を送りたいです。
神崎君がこれからもずっとほのかしか好きにならないと断言しても、ほのかには信じられないという下りがあります。実際未来のことはその時になってみなければわからないし、どう転ぶかは神のみぞ知るので、神崎君は無責任なこと言ってるように思えますが、今の彼の気持ちを言葉にするとそうなるんだろうなと思うんです。その気持ちはよく分かります。ただ、熱中しては冷めてを繰り返しながら40代にでもなってくると、自分が信じられなくなってきて「ずっと」なんて言葉を使えなくなるんですよね。
神崎君の思いが冷めてしまったとしても、殻を破ったほのかは前に進んでいけると思います。なんか別れる前提みたいな話になっていますが、3巻時点の二人はラブラブです。完結表記が無いのに4巻が全然でないので、これで終わりなのかもしれませんが、できれば2人の着地点的なものを見せてもらえたら嬉しいです。
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