The apple of my eye
」のレビュー

The apple of my eye

円場喜与

発展途上ながら核となる部分に魅力あり

ネタバレ
2022年7月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 189ページ。
ダークな裏稼業世界の闇BL。
ひどい境遇に生まれ育った彗の心の描き方が良かったです。
対して、彗の心を救う位置付けである柊のキャラクターが私には掴めず、どういう人なのかがよくわからないままで、救済話としてもうひとつスッキリしませんでした。
フランツが謎すぎたのも惜しいです。物語のキーとなる人物だと思うので、もう少ししっかり描いて欲しかった。
中心となる彗はキャラクターとして自立していると思うのですが、その他のキャラクターが「彗のための」機能的存在になっている気がします
彗が日本人に見えなかったり、明らかに外国人のフランツがいたり、日本が舞台のようですが微妙に国籍不明感があって、軽く脳内バグが起きて入り込めなかったのが無念。絵柄的にも、外国舞台作品の方が向いてる作者さんな気がします。
あと、ダークさを出すのを、要素を足すことに頼ってる気がするので、一度要素を絞ったのを描いてみたら伸びそう。
((2024.1.追記))……なんてことを書いてましたが、青年ジャンルにおそらく同一作者の別名義での作品を見付けました。そちらは特殊要素少なめのシェアハウス群像劇で、なかなか面白かったです。そちらを先に描いていて、今作次作の要素増量方面に到っているので、今後要素を減らす確率は低いかもしれませんね。確証がないので明記は控えますが、気になる方は「兜」で始まるタイトルで「由」で始まる作者の作品を見てみてください。
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