沈黙の女神
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沈黙の女神

もり/紫真依

良かった!!!!

ネタバレ
2022年7月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 声を持たないヒロインは周りから沈黙の姫として、冷酷無比と誤解をされて生きてきた。それは父王の言いつけでそのように振る舞っていただけ。ヒーローとの出会いから2人は惹かれあっていたけど、その父王の言いつけを守り嫁ぐことになったヒーローにも仮面をかぶる。声がなくても動物たちと会話ができるヒロイン。シリアスな男たちの国と国との争いや政事で話が進む反面、ファンタジーな側面もあり読んでいて飽きが来ないし微笑ましい。大人しくお高く澄ましているだけの姫にあらず。乗馬が好きでお転婆な向こう水な一面もあり、国が危なくなるとわかると馬に跨り自分で急を知らせに走る。そうかと思うと相手の気持ちを慮る優しい心根のヒロイン。言葉を発することができずヒーローに誤解をされたまま、この2人はいつ思いが通じるのかがモヤモヤし続けるけど、本当になかなか通じ合えない。周りがうるさすぎ。邪魔が入りすぎる。そして、2人で遠慮しすぎる。思うだけでなく行動しろよ!と言いたくなるけど、まぁタイミングが悪い。作者さん、ここら辺お上手。憤懣やるかたないがスッキリするには読み進めるしかないもんね。2人を取り巻く人たちの気持ちがいろいろありすぎて、あの時どう思っていたのか何があったのかと裏をとっていきたくなるほど、いろんな感情が交錯していき深いです。一人一人の作品ができそう。一途なヒロインに負けず一途だったヒーロー。後日談もあり幸せそうな2人に大満足でした。
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