スメルズ ライク グリーン スピリット SIDE-B
永井三郎
このレビューはネタバレを含みます▼
桐野くんの選択は涙なしでは見れませんでした。こういう選択をせざるを得ない方はたくさんいると思います。そういう点で、皆がハッピーエンドにならないこの作品は非常にリアルでした。田舎の閉塞感も伝わってきて、痛かったです。しかし私は桐野くんは一度切りの人生なんだから思うように生きてほしかった!もし、桐野くんの親が同性愛に寛大であったなら、彼は本当の自分を出して本当の幸せを掴んでいっただろうに。
桐野くんの選択もそうですが、2人で桃源郷に行くくだりとか、桐野くんのから元気とか見ていられなかった。。これ以上桐野くんを痛めつけないで!と思いながら読んでましたが、最後で絶望感に苛まれました。夕焼け空を見上げる桐野くんの目は虚ろに思えて、なんてバッドエンドなんだろう。。幸せとは?と考えてしまいました。桐野母や子供の幸せそうなシーンと桐野くんの虚ろな様子の対比がキツかった。
そんな中でも輝いていたキャラは三島の母でした。芯が強くて常に息子の味方の彼女が居て、三島くんは心強かったことでしょう。彼女が出てくる場面は希望を持って見れました。
なかなか読み応えがあり、ヒリヒリした感じのリアルな作品でした。
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