苦いのテーマ
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苦いのテーマ

阿部あかね

やっぱり天才!

ネタバレ
2022年7月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者様買いです。『花にくちづけ』シリーズが面白すぎて、すっかり作者様にハマってしまいました。今作品も期待を裏切らない、インパクト絶大です!!絵がカッコいいのはもちろんのこと、この作者様のお上手なところは、ストーリーのメリハリとバランス。さっきまて甘々でエチエチで、笑っていたはずなのに、いつしか不穏な空気が流れて始め、ガシガシに胸が締め付けられる。1番強烈に衝撃を受けたのは、なっちゃんの浮気がバレた時のヒリヒリした雰囲気の中で、された側の新の男ぷり!怒りと侮蔑と哀しみの入り混じった、氷のように冷え切った般若のごとく上から目線で決めゼリフ「忘れたんなら、思い出させてあげようか」恐怖でフリーズ。まさか聞かれてるとは思いもよらない、浮気中の正に浮かれたセリフの浅ましさが倍増。「一瞬だけ忘れた」って、セリフのセンスが天才的ですよ。新は一生忘れないことでしょう。私も忘れられない…。なっちゃんがどんな声色で、どんなテンションで言ってたか、容易に想像がつく。大修羅場の後の、風呂屋の番台のおばあちゃんのおとぼけ感が尚更痛ましさを増してます。フルボッコにされたなっちゃんの傷は癒えても、新の傷は一生癒えないわけで。それでもまた一緒にいることを選ぶ…この結末は読み手のその時の状態で感じ方が変わりそうですが、やっぱり2人で積み重ねた日々は重いのだと。今の私的には、このエンディングで読後感良かったです。そう思うのは、何より涼真先輩がイイ男過ぎた。なっちゃんだけでなく、新もそれは感じていたし。余計になっちゃんが良くも悪くも人間臭く思えてくる。とりあえず、先輩の話を是非とも読みたいです!
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