花咲みの魔女に告ぐ 【電子限定特典付き】
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花咲みの魔女に告ぐ 【電子限定特典付き】

キタハラリイ

ふんわりファンタジー、3話目が異父兄弟

2022年8月6日
247ページ。
中篇3作品+描き下ろし。
魔女の力を継いだ登場人物がいる、という共通点はありますが、話はつながってないし話によって魔女の持つ力の種類が違うしで、オムニバスと呼んで良いのか微妙なライン。
いずれも、きれいだな、と思うシーンが存在し、その雰囲気がこの作品集の良いところだと思います。深掘りとかは無いファンタジー。メンタルもふんわり。
・表題作 幼馴染同士。魔女が泣くと雨が降り、嬉しい時には花が咲く。他の能力は要らなかった気がします。ちょっと散漫になってしまった印象。終わりのモノローグは、とても気持ちの良い庭を感じさせて良かったです。
・『ワンダースラムホール』東南アジアっぽい場所。いろいろはっきりしないけど、組織に追われる身の男が迷い込んだ白昼夢、という趣の話。
・『エアリーブルーに睡れ』水の中のシーンがきれい。異父兄弟、何でもできる兄とそれがコンプレックスで家族から離れた弟が、母の死をきっかけに再会する話。けど、この話のお母さんは微塵も悪くない(不倫とかじゃない)ので、弟がなんで母親にそこまでの苛立ちをぶつけたのかが理解できずに、話に置いていかれてしまいました。兄弟ものとしてはあっさり。電子特典はこの話の。
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