嫌われ神子の8年間
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嫌われ神子の8年間

伊達きよ/北沢きょう

召喚後の神子…ただただ幸せを祈りたい!

ネタバレ
2022年8月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ めっちゃ泣きました!伊達きよ先生のお話二作品目に読ませていただきましたが、今回も涙が止まりませんでした!『めでたしめでたしのその後』とあるように、神子として異世界に召喚されたあと、王子と恋に落ち、めでたしめでたし…のハズ、が、神子圭は王子に裏切られ神殿に行き、そこで初めて国中から神殿から恨まれ、蔑まれていると知るのです。
完全なネタバレですが、
とにかく前半神武官テスが神子圭と庭で召喚から8年後の真実を聞くまで、もう圭が可哀想で可哀想で辛くて辛くて泣いてないときはありませんでした。(その後もちょくちょく泣きましたが…)もうこんなにも召喚された神子の心のひだまで語られたお話があるんでしょうか!たった15、たった15歳のしかも家族や友達に愛され、将来に希望を抱き、まだまだあたたかく護られすくすくと育った子。15なんて子供だよ。なのにいきなり召喚され、唯一と思っていた人に裏切られ、自分の知らないところで恨まれ蔑まれる。圭はほんとに優しくて清い子だから失恋して天災を重ねたことも神子として役割を知らなかったことも自分に非があると言うけれど、15で召喚された子に正しく導く大人がいなくてなんの非があると言うんだろう!後半や描き下ろしでもその傷は完全に癒されることなく、周りも今もこれからも傷つけていくけど、圭やテス、国中の多くの人が傷を共有しながら温かい未来を紡いでほしい。と願わずにはいられない。このお話の『その後』も続くんだろうと自然に思わずにはいられないほど現実的な既視感を覚える、そんな小説でした。第一王子ぜーったい許すまじ!
素晴らしい本に出会えて、幸せをありがとうと感謝したいです!
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