夏休みスペシャルドラマ感あるホラー

197ページ。
気持ち悪い絵面と驚かせる演出で「ぎゃー！」ってなるタイプのホラー。演出が過剰になって怖いのを超えると笑いに転化する、良い意味でB級です。話運びは「世にも奇妙な物語」系で、終盤の加速する混迷ぶりがビジュアル含めて面白く、混乱のまま幕引きを迎えるのがホラーらしくて好きです。
また、脇役である主人公の友人達のキャラクターがそれぞれアクが強くて楽しい。
読み終わった直後は星3つかなと思いましたが、じわじわくるものがあって、忘れた頃に読み返したくなりそうなので星4つ。

個人的な印象として、一昔前の「NHKで10代向けに作られた夏休みスペシャルドラマ」っぽさがあります。若者に親しみと興味を持ってもらえそうな要素、俳優やアイドルの卵がフレッシュ感たっぷりに個性ある主役グループを演じてて、大人役はなんかすごい大物俳優が思わせぶりに超熱演してくれてるような……夏の気怠い暑さの昼下がり、だる〜っとテレビを付けたらやっててそのまま最後まで見ちゃうような。
刷毛で塗ったような青空、暑すぎて外に出るのも嫌だしとりあえず扇風機つけてアイス食べながらテレビでも見るか……そんな学生時代の夏休みの一日に戻った気分で読むと楽しいんじゃないかと思います。