このレビューはネタバレを含みます▼
黄昏を読んでからの、こちらのスピンオフ。黄昏を読んだ時から市川義一が好きで。繊細そうで雰囲気があって、でも性格がハッキリしてて、すごい魅力的で。そして、なんか色っぽいな…なんて思ってたり。黄昏も好きですが、私はこちらのお話しのほうが、少し笑えるとこもあったり、2人の掛け合いの緩急があって好きです。菊地原という人物は嫌いじゃないけど、自分を殺して周りに気を遣うとこや、映画への向き合い方が市川は納得いかず、物申したかったという、なんとも憎めない奴。こういう、その人自体とその纏っているものを切り離して考えられる人、私は結構好きでして。そんな外見と中身のギャップを自分自身が1番理解していて、それを表に出すのが怖くて、素の自分を周りが認めてくれるのか…とか考える菊地原の心情も、とてもよく理解できました。でも、菊地原は菊地原でその性格は宝だし、市川は市川で、その性格もまた宝。だから周りに人が集まってくる。どちらが正解とか生きにくいとか、そんなのは誰が決めることでもないし、それでオールオッケーですよね。そんなハッキリした、裏表のない市川にまったく違う性格の菊地原が惹かれるのは分かる。本気で市川を好きになって、ストレートな言葉で市川に気持ちを伝える菊地原は、一皮剥けたようにカッコよかった(同朋には相変わらずで、それはそれで菊地原でよかったけど笑)。そして、菊地原に愛される市川が、思った通りめっちゃ色っぽい!可愛い!でもカッコいい!やったー!ありがとうございます!そういう流れになるまでの、映画観てる2人の掛け合いや画も、すごくよかったぁ。こちらの作者様、画はもちろんのこと、言葉の紡ぎ方やセンスがとても好きです。流石でございます。ラストも素敵!いやぁ〜、青春ですなぁ。素敵な作品を、ありがとうございます。