このレビューはネタバレを含みます▼
高校に入学した広沢大河は舞台で女装して踊る“マリア”と呼ばれる有馬優に一目惚れ。2人は演劇部に所属しますが、優は舞台で男装することはできず、大河は優に演技を教えてもらいます。全体的にコミカルなのですが、かなり重たい内容も含まれていて、BLというより辛い過去を乗り越えて成長する青春群像劇のような。優の中には男性と女性の人格があり、薄っぺらい大河は深く考えないことで自分を守っていて、メインの2人だけでも十分ですが、大河の友達や父親、モロモロの登場人物がそれぞれ光っていてとても力のある作品になっています。映画の原作にでもなり得そうです。攻め受けはわかりません。どちらもあり得る感じです。エロなしキスのみです。
PEYO先生の他の作品も読んでみたくなり探しましたが無くて、きっと別名義で活躍されているのかなと思って検索してお亡くなりになっていることを知りました。2020年8月19日に23才という若さで、もう三回忌になるのですね。
この本はページをめくってすぐに引き込まれて、その力強さと深さにこんな作品はめったにないものだと思いながら読んでいました。次にどんなものを描かれるのだろうかと期待が高まる作者様で、なんと言ったらいいか、言葉になりません。
PEYO先生 素晴らしい作品をありがとうございました。
2018年12月 総248ページ