アンチアルファ
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アンチアルファ

奥田枠

愛が止まらねえな…それが愛なんだぜ

ネタバレ
2022年8月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 血塗れ逆さ吊り真っ赤なベロチュー。
奥田枠先生のオメガバはカバー絵からしてヒリヒリします。
本編も甘々はほぼ皆無。なのに読後感はしっかりとした愛の繋がりを猛烈に感じる、大好きな作品です。
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圧倒的なαと、αとして生きてきたΩ。設定的には他の作家さまも描かれている題材ですが、理性と本能が拮抗しながらの2人の戦いが、他作との一戦を画す物語です。
本作はカップルの気持ちの根底に、常に「理性」がどっしりと構えています。それは運命の番との差異を明確にするためなのでしょうが、そのおかげで2人のデュエルがより真剣味を増して見えます。
理性的なのに、すごく熱が伝わって来るのは本当に凄いと思います。
例えば本来なら感動的なαの告白をも「詭弁」だと理性的に判断するΩ。けれどその詭弁が嬉しくて幸福を噛み締める様が、すうーっと沁み込んできます。本当に巧い。「本能」という理解し難いもので有耶無耶にさせないのが天晴れと思ってしまうのです。
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そしてエチシーンですが、奥田先生のエロって本当にエロいですw
冒頭の保健医の役割とか、目で見える絵以外で妄想を広げつつエロコマを堪能できるという、二重構造エロになっています。
主カプの初エッチは、屈服させられる屈辱感と、元αを屈服させる征服感のぶつかり合いがホント滾ります。
忘れちゃならないのがαの叔父です。めちゃくちゃゲスなんですが、やってる事と表情の乖離でコレまたエロいです。
というか、描かれているエロシーンそれぞれに振りかけられているスパイスが全部違う味なので、いただいた時に受けるエロのバリエーションが凄いことになりました。
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パワーセック スだし無理矢理だし流血だしで暴力的にも見える今作は、実は本能や運命の上位互換としての理性を描いた稀な作品だと思います。
かなり読み応えがあります。
描き下ろしの7years afterの続きはスピンオフのアンチアルファアナザーで読めます。こちらも別の深い葛藤を読むことができます。
修正は完全白抜きボカシです。
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