シンデレラリバティ
」のレビュー

シンデレラリバティ

本郷地下

先の読めないゾクゾク感

ネタバレ
2022年9月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作品を読むときに、結構レビューやネタバレを見てしまう方なのですが、これはネタバレしちゃいけない雰囲気がありありと漂っていたので、そのまま読み進めました。
これが大正解。自分の勘を信じて良かった。
始まりから不穏でサスペンス風味があるので、ドキドキしながら一気読みが吉です。
全く先が読めない、予想がつかない展開で面白かった。久しぶりにハラハラしながら物語を追う面白さを味わいました。
こうなるんだろうなぁというのが全くない作品というのがすごく新鮮でした。
不穏なんだけど、誰も声を荒げたり暴れたりしない。
みんな水面下ではいろんな感情が渦巻いているんだろうけど、表層はとても静かで淡々としているのでそれが余計に怖かったです。そっと背中を撫でられるようにゾクゾクしました。

ラストはこの設定だったらもっとドロドロの恐ろしいエンドにもできたと思うし、それをちょっと期待して構えてたところもあったんですが、そこは救済がありほっとする読後感でした。
敦也の靴職人という職業がとても効いてました。新たな道へ一歩踏み出すには靴は絶対に必要な物ですものね。
希望を感じるラストで良かったと思います。
とりあえず平穏が訪れて、2人の本当の人生はここからだなと思いました。
できればこの先の、靴を絡めた2人のエピソードももっと見たかったなぁ。
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