このレビューはネタバレを含みます▼
ルームシェアといっても、それぞれが借りている部屋を自由に行き来する田中と大原の日常が一話ごとに重ねられてゆきます。子供っぽくて大雑把な田中とお洒落系でちょっと小難しい大原はHもしますが恋人未満で、色んなモノやコトをシェアするようになってゆきます。基本的に田中がやたらと懐いて大原がツンで流す構図なのですが、大原は一人の時にはデレもちらりと見せます。田中の長い不在が寂しくて元彼の呼び出しに応えてしまったり田中のガサツさにキレたりしつつも、大原が心の深い部分で田中のことを受け入れ大切にしていることがよくわかり、大原の不器用さが可愛らしくも切なくなります。ラスト近くのセリフが無く、よく考えられた構図のカットが続くシーンは、時間の流れと大原の心情とがまるで映画のように胸に迫りました。軽いのがお洒落みたいな学生のノリから本当の恋人関係に踏み出すのかどうかの心の揺れが描かれています。